「就職で失敗した!」と思った第二新卒が気を付けなければいけないこと

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こんにちは、リタワークスの加茂です。

皆さんは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を聞いたことがありますか?これはドイツ初代宰相のビスマルクの言葉だそうですが、私はこの言葉の意味を額面通り「仕事で成功するためには歴史を学ばなければならないんだな。」と考えていました。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ Sebastien Wiertz

しかし、どうやら別の解釈もあるようです。その解釈とは「愚者は自分で失敗して初めて失敗の原因に気付き、その後同じ失敗を繰り返さないようになるが、賢者は過去の他人の失敗から学び同じ失敗をしないようにする。」というものです。

前段部分について「自分で失敗したら愚者なのか?」と考えると、私自身素直に受け入れにくいところもありますが(笑)、「歴史=過去の他人の失敗」と考える部分はとても納得できるものがあります。

少し前置きが長くなってしまいましたが、今回は「就職で失敗した!」と思っている方が転職の際に注意しなければいけないポイントについてお話します。

「やりたい仕事」を選んだはずなのに・・・

私が面談した方でこんな方がいました。
彼(Aさん)は金融系システムに関わる仕事がしたくて、大学院を卒業後大手システムインテグレーターに就職しました。入社後5ヶ月間の研修を終え現場に配属されたAさんはそれまで想像もしていなかった経験をしたそうです。
IT業界はピラミッド構造で元請けと下請けの間には歴然とした壁が存在します。現場ではまだ入社1年目のAさんに対して親子ほど年の違う下請け会社の社長がペコペコしてきたそうです。
まずAさんはそのことに驚いてしまいました。それと同時に申し訳ない気持ちになってしまったそうです。さらに、そうした関係性を当然とする会社の空気もAさんにとっては受け入れ難いものでした。
技術を学びたくて入社したのに、求められるのは技術ではなくマネージメントでした。マネージメントと言っても、大手の冠があれば大抵の人は言うことを聞いてくれます。Aさんはとても謙虚な方なのでその状況にいたたまれない思いをしたそうです。

そしてAさんは入社から1年経たずに転職を決意しました。

転職先で待っていたもの

Aさんが転職先に求めたものは「技術者としてのスキルを伸ばせる会社」であることでした。そこで自力で転職活動を行い、Aさんはある小規模のITベンチャーに転職しました。ところが入ってみてから次のようなことが分かってきました。

入社前は「どんどん意見を取り入れるから何でも提案してね」と言われていたが、実際はオーナー社長のトップダウン型経営であり、現サービスの改善や新サービスを創っていきたいという下からの意見は却下されてしまう環境であること。
メンバー構成としてオーナー社長と創業メンバーがいて、その下に中間層がいない組織であるため、前述の意見が取り入れられないことと相まって経営側とメンバーとの一体感が非常に稀薄だということ。
そして特に社風に馴染めない若手メンバーが早期離職してしまっていたそうです。

事前のイメージと実際の現場の乖離 Alex

Aさんは1年半その会社でがんばりましたが、結果的に退職してしまいました。「技術は学べたけれど、最後まで馴染めなかった」とおっしゃっていました。

「社風が合わない」はよくあることでしょうか?

このケースをお読みになって皆さんはどのように思われますか?
「社風が合わない」はよくあることでしょうか?

確かにAさんの就職・転職における共通した失敗は、やりたい仕事にフォーカスし過ぎて社風と社内事情について把握できていなかったことです。そのため人柄と会社との相性の見極めを誤ってしまったのだと思います。
しかし、やりたい仕事にフォーカスして次の転職先を決めることは決して悪いことではありません。また社風や内部事情といったものは、面接を受けたぐらいでは分からないことの方が多いものです。

では一体どうすればよかったのでしょうか。

転職の方向性を決めるときの考え方

就職で失敗した!と思っている方であれば失敗してしまった理由について考え反省していると思います。
しかし転職の場合においては、本当はそれだけでは足りないのです。つまり、『自分と同じような失敗をした他の人が何を考え、次にどう行動したのか?』についても知る必要があるのです。
Aさんの例で言うなら、もし彼が「大手企業からベンチャー企業に転職する若手エンジニアの失敗例」みたいな話を知っていたとしたら、また結果は違ったものになったかもしれません。

ある失敗をした人が次に取る行動というのは幾つかのパターンに分類されてくるそうです。
例えば、ブラック企業を辞めた人が次に取る行動とは、

  1. 前職とは真逆の定時で帰れるような会社に就職しようとする
  2. 慎重になりすぎて次の行動が取れないまま時間が過ぎていく
  3. 前職で頑張れたんだからと、次も似たような(少しだけマシそうな)会社を選んでしまう

といった感じです。

失敗をした人に学び、何に注意べきかを知ることは転職の場合にかぎらずとても重要ではないでしょうか?
※東京大学名誉教授の畑村洋太郎さんという方が「失敗学」という分野について研究されているので興味のある方はぜひ本を読んでみて下さい。

見えない“社風”を見えるようにするために

見えない社風を少しでも見えるようにするためには、とにかく人に聞くしかありません。それも意図を持って、様々なポジションで仕事をされているなるべく多くの人から話を聞けたらいいですよね。

例えば社長や役員に話を聞くにしても、オーナー社長はワンマンが多い傾向にあることを知った上で話を聞くようにする。役員・事業部長クラスとの面接の際に「社員に対する考え方」を聞いて、社長にも同じ質問をしてみる。さらに現場で働く人たちとの面談の機会を設定してもらう。
このように多面的に情報を集めていくと徐々に会社のリアルな様子が見えてくるものです。

ただ実際のところ面接を受けるすべての企業について一人で情報収集するのはかなり難しいのではないかと思います。
この点については転職エージェントをうまく活用しつつ行うのが効率的かと思います。例えば、転職エージェントは業界特有の風土や仕事の仕方を理解していますし、過去に入社実績がある会社であれば転職エージェントもその会社の社風をかなり理解できています。
私自身も入社実績のない会社においては、極力現場で働いている方にインタビューさせていただき社風の理解に努めています。

ちなみにその後Aさんがどうなったかというと・・・多少遠回りはしてしまったものの元々が謙虚で優秀な方でしたので、「技術者としてのスキルを伸ばせる会社」という軸はぶらさぬまま自分に合っていると思える会社を見つけて今のお仕事に前向きに取り組んでおられます。

皆さんは「経験」に学びますか?それとも「歴史」に学びますか?

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keiichi.kamo

代表取締役 加茂敬一
キャリアカウンセラーとして現在までに2,000人以上との面談を行う。
「利他主義」をコンセプトとし、転職希望者の気持ちを第一にキャリア相談を実施する。